令和1年8月21日 蒸し暑い

 今日は、朝から曇りがちで、雨は落ちないが湿度が高く外へ出ると不快だ。

 昨日は、”体力の消耗=電池切れ”で、外との境界は、ブルーシートで仕切りを行っていたので、その出荷扉の修復で1日が終わった。実際は、半日で終わったのだが、体力的には、そんな気分だった。大先輩である小泉さんの担当する半導体洗浄装置の部品が入荷してくるといううわさが、遠くから聞こえてきた。案の定、朝9時くらいに仮設のブルーシートからひょっこりトラックのドライバーの方が現れた。「おはようございまーす。」元気のいいひょっこりさん。夜通し徳島からここ名張まで、慣れた道路で運んできたのだろう。大切に運んでこられた部品をブルーシートを外した入荷扉(=出荷扉)から、小泉さんと同じチームの柏木さん、更に吉永さんと手際よく入れ込んだ。柏木さんは、工業高校卒業の入社2年目で、女性にしては、ビジョンがしっかりしている。先輩方の教えを細目にメモをとりながら、事あるごとに反復している。私も初芝電器へ樹脂注入装置の据え付けで共に作業をしたが、吉永先輩の指示で颯爽と作業を進めていたのを覚えている。目標を見極め、感がいいのか、とても有望な若者である。彼女の将来は、明るそうだ。ただ、グローリーでは、その才能が花開くか?環境は厳しそうだ。負けるな大和撫子!!

 未だ遠い四国へ出張中の大沼さんも仕事の方は、順調のようだ。ただ、親戚のおじさんが、行方不明になってたようで、2,3日前に水路のそばで、動かぬ姿で発見されたようだ。ご冥福をお祈り致します。

 又、熊谷、秋山の両名は、昨日行った初芝電器での立ち上げ作業は、未入荷のチェーンの交換は出来ぬまま、回らないサーボモーターエラーの対処等を行い、今日はこのペアで、彦根のスイッチメーカーで、装置の改造作業に向かった。このスイッチを組み立てる装置は、台湾のキーボードメーカーの依頼で、この大手メーカーで、大量に生産しているのだが、ワーク(装置メーカー側での呼称)と呼ばれる完成品になる前の各部品が、とても微細、しかも組立スピードが1.2秒/個と速いので、装置としての調整作業が難しい。熊谷さんは、定年が近づいているのに、よくこの難儀なことをやってのけるものだ。メカ的センスは、グローリーでNo.1だろう。その反面、素行はよくない。天は2物を与えずというところか。彦根スイッチは、先の見えない長いトンネルの中にあるように感じでいることだろう。

 外回りの人々は、こんな流れだが、私の目の前に流れている最大の懸案事項は、扉の修復である。最低2人で行わないといけない作業だが、小泉、吉永の両名により、すでに始まっていた。このまま最後まで、進んで行けと傍らではおもいつつも、何かの視線を感じ、デスクから見てみると吉永さんが、あなたは何やっているの?みたいな表情でこちらを凝視しているではないか。ギョッとなり、上着を椅子にかけ、ヘルメット、手袋をそそくさと装着して、加勢に赴いた。電動ドライバーで、外したネジを取り付けていった。小泉さんは、外した骨組みをフォークリフトで積み上げ、吉永さんと私でそれらの外したネジを次々に回していった。外したタッピングビスは、何回も取り付けたり、取り外したせいで、ネジを回した感覚がなく、部品が取り付かない程となっていた。これは、問題だ!どうしよう、困った。この業界で働いていると、目論見通りにうまくいかず、傍から見るとショボーンと悩ましいくなる出来事がたくさん発生してくる。どうにも自分では、首が回らなくなり、どんどん落ちていき、なかなか這い上がってこれないこともある。そんな時は、熊谷さんや最長老に相談してみる。そこから、上がれることもあれば、そうでないこともある。いろいろな経験値がものをいう業種で、失敗を恐れていては、メンタルが持たない。一見細かいトラブルでも、それがクリアできないと先になかなか進めない。進んでも、また新たな事象が出てくる。これの繰り返しで、よくなる方向に持って行くというか、それぞれのお客さんの工場に押し込まなければ、装置の代金が回収できない。なんとこれが”仕事”の醍醐味なのか?収入を得るということは、大変だ。まぁ、それが好きでこの業界で働いているのだから、仕方がない。そうそう”タッピングビス空回り事件”を解決せねば。小泉さんも経験値からなかなか解決案が出てこないようだ。そこで、復元できない窓枠は、付けれるビスは入れて、他の部品で、落ちないようにしておく方法にしてはどうかと思いついた。早速、吉永さんに穴をあけるドリルであるキリを借り、L字型にアングルを取り付けた。何とかなりそうだ。この方法で、扉が落下するのを防げそうだ。

 扉に付く蝶番のねじ留めが、とても大変で、しかも天井近くで暖気がもろに体にこたえる。2人とも汗だくの作業だ。昨日持って帰った汗臭い作業服をまた持って帰らねば、汗で不潔で明日耐えられそうもない。洗い替えがあって良かったが、再び洗濯に出すことが忍びない。

 何やかんやで、修復を終えて、時計を見てみるとすでに”11:57”。既に昼飯の時間が近づいているではないか。結局、扉の修復に3人で2時間半を要してしまった。これは、本気で出荷扉を刷新しないといけないのではないか。以前から、考えていたことではあるが、身に染みて感じられた。

 昼からは、事務員である塩野さん、吉永さんのガールズトークで盛り上がった。今日から製造部門から入ってきた生産技術では新人の女の子の名前を確認してみたり、緩やかな時間が戻ってきた。

 

以上